STAR Parentingの必要性

STAR Parentingの必要性

「なぜスター・ペアレンティングが必要なのか」
特定非営利活動法人 女性と子どものエンパワメント関西理事長  田上 時子
( → 田上時子 紹介ページへ )

子育ては難しい-子どもを愛せない親たち

全国の約6,000人の母親にアンケート調査したところ、8割が「子どもをかわいく思えないことがある」と答え、9割が「育児がつらいことがある」と答えています。 家庭内の虐待の加害者として母親の数が多いという調査結果が出ていますが、母親をそこまで追い込んだ社会にこそ問題があるのだと考えています。
その原因としては
 ・母親が孤立しているため、悩みを話す相手がいない
 ・子どもとの密着が進み、過保護・過干渉になる
 ・少子化のため、育児のノウハウを身につけることなく親になる
 ・母性神話・3歳児神話に縛られる
など、母親に過剰な責任が課せられ、時間的・精神的余裕がないために、育児が息苦しいものになっているのです。
孤立した母親が育児を楽しむためには、父親はもちろん、家族や地域からの協力などさまざまな支援が必要なのです。

ペアレンティングとは

そのために、今必要なのは、シンプルで誰にでも無理なく実践できる「親としてどうしたらいいか」という情報です。しかもそれは子どもの人権を尊重する視点に立ったものであると同時に、親にとっても自己尊重できるような情報でなければならないのです。 ペアレンティングとは、「親をすること」「親であること」「親の役割」「親のあり方」のことで、親としてのスキルは学んで身につけるものです。エリザベス・クレアリーさんが心理学の理論と自らの経験から生み出した「スター・ペアレンティング」は、今の時代のニーズにも合っています。親の役割は「愛と制限」を示す、つまり、子どものあるがままを受け入れることと、感情や行動や態度に適切な制限を与えることで社会のルールを伝えていくことなのです。